腎臓病・泌尿器・心臓病治療

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 ハッピー動物病院では様々な病気の犬猫の診療を行っています。特に腎泌尿器疾患、心疾患については治療件数も多く診断機器等も充実していますのでその診療について一部ご紹介させて頂きます。

腎臓病

近年の犬猫の長寿化に伴い腎臓病が問題となるシチュエーションが増えてきました。当院では腎臓病の早期発見・早期治療に力を入れています。ここでは犬猫に多い腎臓の病気についていくつか説明します。


慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病とは

慢性腎臓病とは腎臓の機能が徐々に低下する病気で年齢と共に多くの犬猫で発生します。犬では糸球体疾患、猫では尿細管の傷害で起こる事が多いと言われていますが個別の事例について詳しい病名まで確定することは小さな動物に対する腎生検のリスクとハードルの高さなどから困難で実際に生検が実施されることも多くはありません。
いずれの場合も多飲多尿が初期症状として起こる場合が多く、続いて脱水や腎数値の上昇が起こり腎機能の低下と共に徐々に本来腎臓で処理され尿で体外に排出される老廃物が体内に蓄積するいわゆる尿毒症が進行して食欲不振や吐き気などの症状が出ます。

早期発見・早期診断

人医療では人工透析や腎移植などの選択肢がありますが動物の場合は難しいので腎機能の低下や尿毒症の進行を遅らせる事が治療のメインとなります。その為、早期の発見と診断が重要となります。ただ早期の発見が重要といっても病気の初期には症状が出ないことも多い為定期的な検診が重要となります。当院では尿の検査、血液検査、超音波やX線などの画像検査、血圧の測定などを組み合わせて慢性腎臓病を総合的に評価します。また先に述べてある通り多飲多尿が初期症状で現れる事が多く毎日の引水量が犬では体重1kgあたり100ml、猫で50mlを超えると明らかな多飲状態と言われています。この症状は腎臓病以外にも重大な病気が隠れている可能性がありますので心当たりがある場合は必ず動物病院で相談しましょう。

慢性腎臓病の治療

病気の進行度合いによって食事療法やお薬を使った治療、輸液による脱水の予防などを行い病気の進行を遅らせます。また病気が悪化して尿毒症の症状が出ている場合は吐き気どめの投与などの対症療法が行われます。


急性腎障害(AKI)

急性腎障害とは

急性腎障害(AKI)は、何らかの原因で腎組織が障害され、腎機能が急速に低下していく状態です。腎臓の主な働きは血液を濾過し体液の恒常性を保つことであり、AKIで腎臓の機能が障害されると血中老廃物の過剰な貯留(尿毒症)や電解質異常、重度の脱水など致死的な状況が起こり得ます。AKIの原因は、腎前性、腎性、腎後性に大別されます。

症状と診断

急激な元気食欲の低下や嘔吐がみられます。また、尿量が少なくなる(乏尿)、または尿が全く作られない(無尿)などの症状が現れることもあります。その結果、本来腎臓から排泄されるはずの毒素が体内に留まってしまい、電解質異常や高窒素血症へと至り、尿毒症症状である痙攣発作や虚脱を起こすこともあります。

血液検査にて腎臓の数値(尿素窒素、クレアチニン、SDMA)が高いときは腎機能障害が疑われます。他の検査や症状、経過から、慢性なのか急性なのかを判断します。次にその原因(腎前性、腎性、腎後性)を判断するために尿検査、レントゲン検査、超音波検査などを実施します。これらの検査で腎臓自体の形や大きさ、構造に異常がないか、結石、細菌感染がないかなどを確認します。また腎性の急性腎障害の原因となる中毒を引き起こす物質を食べた可能性がないかを確認します。身近なものでは、人用の鎮痛剤や風邪薬などに含まれる非ステロイド系、ユリ科植物、ブドウ(レーズン)、エチレングリコールなどの不凍液、重金属(鉛など)、ヘビ毒などが有害です。

治療

まずは水和状態の改善と電解質の是正を行いながら、腎機能を障害している原因を特定し、原疾患への治療を行います。急性腎障害はその多くが救急状態となりますので入院下での集中治療が必要になり状況によっては二次診療施設への転院なども必要となります。無事に退院することができたとしても腎機能の低下により慢性腎臓病へと移行し、自宅での皮下点滴や投薬などの治療の継続が必要な場合もあります。



泌尿器科診療

犬猫共に泌尿器のトラブルが多くおそらく下痢などの症状に次いで動物病院への来院機会が多いのが血尿や頻尿などの症状だと思われます。ここでは特に多い猫の下部尿路症候群について説明します。


猫の下部尿路症候群(FLUTD)

下部尿路症候群とは

猫の下部尿路疾患は、尿路結石、膀胱炎、尿道炎、尿路感染症、膀胱〜尿道の腫瘍など排尿障害や血尿などの症状を引き起こす疾患の総称です。そのうちおよそ60%は原因が特定できない特発性膀胱炎であり、残りのほとんどは結晶(結石)による膀胱炎です。猫の様子を見て、
・ いつもよりトイレに頻繁に行く(頻尿)
・ オシッコのポーズをするがオシッコが出ていない(排尿困難)
・ オシッコに血が混ざっている(血尿)
・ いつもと違う場所にオシッコをしてしまう
・ オシッコするときに痛そうにしている(排尿痛)
という症状があったら動物病院を受診して下さい。
また特に男の子に多い尿道閉塞は命に関わる大変危険な状態になります。この場合はすぐに動物病院を受診して下さい。

特発性膀胱炎とは

特発性膀胱炎とは上記のような猫の膀胱炎症状のうち結石や感染などの原因を特定できない病態の事を言います。その原因の多くは精神的または身体的なストレスだと言われておりストレスの原因は猫により様々です。家庭環境の変化、同居猫との関係、トイレが気に入らないなど色々なことがストレスの原因になります。猫が環境の変化に敏感な性格の場合は、生活環境をなるべく変えず、猫がストレスを感じないように過ごさせてあげることが重要です。

予防

いずれの場合も水をたくさん飲む事、排尿を我慢させない事が重要でウェットフードを利用したり猫が気に入った水の容器を見つけてあげる事、トイレを清潔に保ち家にいる猫の数より多く用意する事などが有効です。また最近では結石予防の療法食やストレス緩和成分の配合されたフードも発売されていますので必要によって動物病院で処方してもらいましょう。



循環器科診療

犬猫共に年齢と共に心臓の病気を罹患する割合は増えていき当院でも多くの動物の心臓病の治療を普段から行っています。ここでは犬猫の代表的な心臓疾患を紹介します。


犬の僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症とは

僧帽弁閉鎖不全症は犬で最も多く認められる心疾患です。
心臓は右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋に分かれており、僧帽弁は左側の左心房と左心室の間にある弁のことです。通常は僧帽弁の働きにより左心房から左心室への一方向にしか血液は流れませんが、僧帽弁閉鎖不全症では、弁がうまく閉まらなくなることで逆方向の血流が認められるようになります。

どんな病気?

僧帽弁の逆流により全身に送られる血液量が少なくなります。しかし、しばらくの間は心臓が頑張ることで血液が十分に送られる機能が備わっています。この時期は心雑音が聞こえますが症状を示さない状態です。
心臓の頑張りが限界を迎えるとポンプ機能が落ちてきてうまく血液を送り出せなくなり咳や運動不耐性、肺水腫、心不全などの様々な症状が出始めます。
また心臓から上手く血液を送ることができないと、肺だけでなく体中に悪影響を及ぼします。例えば腎臓は血流が少なくなると腎不全になります。興奮時や運動時には失神することもあります。
このように僧帽弁閉鎖不全症の病状が進行すると、呼吸が苦しくなったり腎不全などを併発して最終的には死に至る可能性があります。

診断

通常聴診と超音波検査で診断されます。肺の状態の確認と心臓の大きさの評価にX線検査も行われます。

治療

内科治療では症状を抑え病気の進行を遅らせることを目的とします。定期的に検査を行い病気の進行度合いを評価しステージに応じて、血管を広げて心臓への負荷を減らす薬や心臓のポンプ機能を改善する薬、尿をたくさん出す事で血液の量をコントロールする薬などを使って治療します。

また近年では人工心肺につないで心臓を切開し僧帽弁を修復する手術が一部の病院で行われており当院からも高度医療施設に紹介してこの手術を受けた子がいます。根本的な治療が出来るのが大きなメリットですが出来る施設がかなり限られているのと高額の治療費が必要になります。

心筋症(肥大型・拘束型・拡張型)

肥大型心筋症とは

心臓の筋肉が厚くなりうまく血液を送り出せなる病気です。猫に多く遺伝性の病気でメイン・クーン、ペルシャ、ラグドール、アメリカン・ショートヘアなどの品種で発生率が高い事が分かっています。ずっと無症状で進行し突然胸水や動脈血栓症などの致死的な症状が出る事があります。早期の診断と治療がとても重要になりますが聴診などでも見つかりづらい病気ですので積極的に健康診断などで心臓の状態をチェックしましょう。

拘束型心筋症とは

心臓の筋肉が硬くなることで上手く動かなくなる病気です。猫に多く後発する品種は不明で原因もよく分かっていません。症状などは基本的に肥大型心筋症とよく似ています。

拡張型心筋症とは

拡張型心筋症は、心臓の収縮力(縮む力)が弱まる病気です。ドーベルマンでは遺伝することが明らかになっています。その他、大型犬で認められることの多い病気です。
猫ではタウリンと呼ばれる栄養素が不足すると発症しやすいことがわかっていますが、現在はキャットフードに必ずタウリンが含まれているのであまり見かけない病気になりました。まれに仔猫で先天性の拡張型心筋症が発症します。

治療

内科療法による緩和的な治療となります。心臓の状態は動物によってさまざまであるため一概には言えませんが、体の水分量の調整や心拍数のコントロール、強心剤、心臓の負担を減らす薬(血管拡張剤など)を用いて、心臓の良好な状態を維持します。また猫の心筋症では血栓症が頻発します。血栓は足の血管に詰まりやすく、突然後ろ足や前足が動かなくなります。治療法は状況によりさまざまですが、抗血栓薬による保存療法、血栓溶解剤、血栓除去手術などから選択されます。

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