無麻酔歯石除去について

獣医師でないのに犬の歯石取った疑い ドッグカフェ経営者を書類送検

https://news.yahoo.co.jp/articles/7d0d53ad7edb489ef2abb155450643a9610bac19

無麻酔歯石除去に関しては沢山の獣医師が様々なメディアでその危険性や問題点について警笛を鳴らしてきました。そんな中先日、上記記事の通り獣医師でないにも関わらず動物に対して歯石除去を行ったとして京都府の女性が書類送検されました。トリミングサロン等で歯石除去を行っている例が数多くありますが、その全てがこれと同じ獣医師法の違反行為となります。また歯石除去については原則として全身麻酔下で行わなければいけないと様々な獣医師の団体から指針が発表されています。
これは動物の疼痛や無麻酔で抑えて処置を行うことの危険性、無麻酔では歯周ポケットの中の歯石を取る事が出来ず歯周病の治療にならない事などが理由です。

なので巷で行われている無麻酔歯石除去には2つの問題があり、①そもそも獣医師以外が歯石除去を行う事が法律違反であるという事と②無麻酔で歯石除去を行う事が動物愛護、安全性、治療の妥当性の観点から不適であるという点があげられます。

これは法律とか決まり以前のお話ですが、ほとんどの犬が口の中を触られるのを嫌がります。無麻酔で歯石除去を行うにあたって飼い主さんの見えない場所でどのような事が行われているか想像してみて下さい。暴れて骨折などの大怪我をした子もいます。

麻酔が怖いイメージがあるとは思いますが大きな持病がなければほとんどの場合において安全に麻酔を行う事ができます。この麻酔がなんとなく怖いっていうのは僕は飛行機が怖い人とよく似ていると思います。ちゃんとした動物病院で行う麻酔は安全です。愛犬愛猫の口臭などが気になる方は思い切ってかかりつけの先生に相談してみて下さい。きっと麻酔についても口の状態についてもしっかり説明してもらえると思います。

長くなりましたが今回は気になったニュースについて解説してみました。サロンなどでの歯石除去のサービスを受けるのはやめましょう。そしてサロンの方もサービスの提供をやめて下さい。これから取り締まりも厳しくなってくると思いますよ。